交差点付近に蛇行した血の跡…「助けを求めて歩いたんだな」
将太さんはその後、西方向に約70メートル歩いて、交差点の横断歩道の上に倒れました。歩道に残る将太さんの血の跡は、歩道から車道に大きくはみ出し、また歩道、そして車道と、蛇行していたそうです。その道沿いに住む人は、「助けて、助けて」と苦しそうに唸るような、低く、野太い声を聞いたと証言しているといいます。
(堤敏さん)「つぶれた肺で呼吸もできない苦しいなか、精一杯助けを求めて叫んでふらつきながら歩いたんだなと。そういう光景が何百回、何千回と思い浮かびました。事件やその犯行、息子が受けた傷…それを思うと今でも息がつまる思い」
現場に駆けつけた父「将太、将太・・・将太!!」取り乱す母「何があったのよ!!」
父・敏さんが駆けつけた時には、すでに将太さんは意識がなく、何度名前を呼んでも返事がありませんでした。
(堤敏さん)「うつぶせている将太の肩に手をあて、ゆすっても反応はありませんでした。名前を呼ぶ声は次第に大きくなって最後は叫ぶように、「将太!将太!」と呼んでいました。」
後から母親が駆けつけた時には、すでに現場には大勢の人が。倒れている息子と叫ぶ夫を見て取り乱し、「何があったのよ、何があったのよ」とすがるように掴みかかって叫んでいたといいます。
(堤敏さん)「交差点を大勢の人が囲んで、たくさんの警察車両が周りを取り囲んで止まっていて、騒然として、警察車両の赤色灯があたり一面すべてを照らして浮き上がらせて、異様な雰囲気でした。」