今や看板商品となった「ヒエスポ」ですが、誕生のきっかけは13年前、東日本大震災でのある経験でした。

信越空調執行役員・高野源人(たかのげんと)さん:
「避難所で使える冷房装置はないか、それを何とか調達してほしいっていう依頼がありました」

当時、扱っていたのは、水の蒸発を利用して涼しい風を送る冷風機。

すぐに23台を、東北の避難所に送りました。

しかし。

高野さん:
「狭い空間では、どうも湿度が上がってしまって、やはり避難所の衛生面とか、よろしくないということで返却されたんですね」

ドライで涼しい風を作りたい。

空調メーカーとしてのプライドが商品開発につながり、2013年に1号機が誕生しました。

当初は数台を生産するだけでしたが、新型コロナのワクチン接種が学校の体育館などで行われると「ヒエスポ」は注目されます。

高野さん:
「夏に体育館の中で、やはり冷房装置が必要だ、そういったお話から問い合わせが殺到しましたね」
「いまようやく300~400台くらい年間」

そして、移動式という利点を生かし、猛暑対策のみならず、いざというときの備えとして活用している自治体も少なくありません。


富士見町役場・吉村さん:
「現在は役場の庁舎内に配置させていただいているんですが、災害発生時には町内に7つある避難所に配置できるように想定をしております」
高野さん:
「うちはハンドメイドなんで各技術がね」
「オンリーワンの製品として、そういった気持ちで作っております」

さて、夏の猛暑対策。

大切なのは冷房だけではありません。