警察によりますと、実際に緊急逮捕する場面に県警と米軍の憲兵隊の両者がいた場合、日米地位協定上、原則として身柄は米軍が拘束することが想定されています。
こうした背景から安里刑事部長は「かなり慎重に(判断)しなければならない」との考えを示しています。
またパトロールを行うにあたっては、その実効性についても考える必要があります。
例えば2016年に元米海兵隊員が起こした事件を契機に、政府が再発防止策としてスタートさせた「沖縄・地域安全パトロール隊」、通称“青パト”の取り組みでは、1日にパトロール車両がのべ100台、パトロール隊200人が沖縄本島を巡回しています。

今年度は約4億3000万円の予算が投じられています。事業がスタートした2016年6月から現在まで、青パトから警察への通報件数は2340件。うち、米軍関係者に関連する事案は「11件」です。

その内訳は「路上寝」が5件、「物損事故」などの交通事故が4件などとなっていて、凶悪犯罪の抑止力になっているかは疑問が残ります。
県警も慎重姿勢を示す、米軍との合同パトロール。日米地位協定による捜査への支障や、“青パト”事業の実効性への疑問などを踏まえ、慎重な議論が求められていると言えそうです。