佐賀県の 山口祥義 知事は、ラグビーワールドカップ2019組織委員会に携わった経験もあり、世界のスポーツを目にしてきました。その知見から佐賀県には “ある構想” が生まれていました。

佐賀県 SAGA2024 SSP推進局
宮原耕史 局長

「 “SAGAスポーツピラミッド構想” というものがあります。これは2018年からやっているんですけど、国スポ(国体)のためにやっているわけでもなく、佐賀をスポーツでいかに佐賀の社会を変えていって元気にしていくかという壮大な構想です」

「SAGAスポーツピラミッド構想」―。トップアスリートを育成し、“スポーツをする・育てる・観る・支える・稼ぐ” といった分野のすそ野を拡大。スポーツを生かした人づくりや地域づくりを進めるものです。アリーナは、この構想のカギを握る重要な要素だったのです。

宮原耕史 局長
「これまでの巨大体育館じゃない、ヨーロッパや欧米型のエンターテインメントがそこで行われるようなものを作る」

まずは地域としてアリーナが必要でした。実は、B1の佐賀バルーナーズは、アリーナ構想の後に誕生した “アリーナ先行型” のクラブだったのです。

宮原耕史 局長
「なんといってもアリーナ構想ができてからバスケットボールのプロチームができました。たぶん、全国初の “アリーナ先行型” のプロバスケットボールチームで、しかもアリーナのオープンと同時にB1に昇格するという。これはもう本当にアリーナがなかったら、佐賀にプロチームは生まれていないですし」

アスリートを育てる。指導者にも活躍してもらう。観る人の活気も呼び込み、街の活力につなげていく。スポーツの「点」を「線」につなげるためにアリーナは欠かすことのできないものだったのです。

佐賀県 SAGA2024 SSP推進局
宮原耕史 局長

― こういった構想を実現するにあたってアリーナはマストだと思われますか?
「思いますね。このアリーナがなければ、稼ぐとか、そこを中心にして社会が変わっていくようなインパクトのあるものにはならないと今、実感しています。もし、アリーナが今、なかったらって想像できないぐらい、できて、わずか1年なんですけど、なくてはならない街の中心になりましたね」

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坂上俊次 ナウンサー
もう伝わってきたのが、佐賀は本気ですね。トップアスリートを呼び込んで、みんなでそれに携わって育てたりとか、見る側のサポートをするような役割とか、運営したり、みんなが来ることによって人口も減ることはないですよね。そういった意味で佐賀の本気というのを感じました。

取材しての結論なんですが、アリーナは正直、必要だと思います。ただ、われわれは早くほしいとか、来年ほしいってすぐに言いますけど、大事なのはアリーナって構想以上にはなりません。今、ディスカッションとかいろいろやっていますけれども構想を温めて、こんなものがほしいとか、こんなふうに使いたいとか、この構想がアリーナとともに非常に大事なベースになってくるんじゃないかなというふうに思いました。