‟やせる薬”の開発は?
恵俊彰:
一番いいのは【PGC‐1 αb/c】を自動的に増やしてもらえるようなお薬みたいなものがあればいいですよね。
神戸大学大学院 医学研究科 小川渉教授:
そうですね。我々は元々そういうことを目指してこの研究をしています。
肥満の解消に運動することは大変良いですが、運動したくてもできない方もいらっしゃいますし、同じだけ運動してもやせにくい人もいます。
そういう人のために、このタンパク質が運動したときによりたくさん増えるようにできれば、より良い肥満の治療に結びつくと思っています。
弁護士 八代英輝:
この食べ物を食べると増えるのにいいとか、そういったものはあるんでしょうか?
小川渉教授:
実験的に、このタンパク質を増やすような物質は見つけています。その物質が本当に薬になるかどうかは今後の検証が必要です。
その物質は、ある種の食べ物にも含まれているものですので、場合によると食べ物によってこのタンパク質を増えやすくすることも夢ではないかも知れません。
恵俊彰:
これは本当に期待が大きいんじゃないですか?
小川渉教授:
今、肥満症の治療薬は大変強力なものが発売されて広く使われるようになっていますが、全て食欲を抑制するお薬です。
このタンパク質の発現が薬の標的になったとしたら、食欲と無関係にエネルギー消費を増やすことによって肥満の治療にアプローチできる薬になる。その可能性があると思って研究を進めています。
コメンテーター 友利新医師:
運動しようというモチベーションも上がるんじゃないですか?それが上がってるんだからちょっと歩いてみようかななんて思う方もいそうですよね。
小川渉教授:
おっしゃる通りです。我々が考えているのも、何もしなくてもこのタンパク質が増える薬というよりも、運動したときにより増える薬が開発できればと思っています。
恵俊彰:
やっぱり多くの方は褒められて伸びるタイプだと思うんですけど、運動してどんどん目に見えて体重がちゃんと減れば、「よし頑張ろう」と思えますもんね。
多くの期待がかかっていると思いますので、よろしくお願いします。
(ひるおび 2024年7月23日放送より)
==========
<プロフィール>
小川渉氏
神戸大学大学院 医学研究科教授
肥満や糖尿病の研究が専門