病は次第に体力を奪い…それでも「岡山パリ祭2023」で熱演した2人

そして、去年の岡山パリ祭。高橋さんは、一度は回復したものの、このときガンが再発、骨まで転移していました。痛みをこらえ、高橋さんはステージに上がりました。

(高橋ゆり子さん)
「ただただ出場することだけ。何があっても、そこはやり遂げる」

蓮井さんの胸のうちには、高橋さんの言葉がありました。

(蓮井Micaさん)
「届くように歌ってって。表現者として、そういうことはいつも念頭に置いてやっているんですけど、ゆりから言われたときに、神様からの言葉のような感じで」

こうして、二人で奏でてきたシャンソンです。

「岡山パリ祭2023」で演奏を終えた2人は拍手に包まれた

(高橋ゆり子さん)
「一緒にやることによって、『自分にこんな面があるんだ』っていうことを気づかされているのは、私のほうなんですけどね。私に最後までとことん寄り添って、付き合うんだっていう、そういうものがすごく支えになっています」

そして、先月末。今年の「岡山パリ祭」に向け練習をする2人。

しかし、会場に高橋さんの姿はありませんでした。いま、ステージ4のガンと闘う高橋さん。彼女を思い、蓮井さんは歌い続けます。

「民衆の歌」を病床の高橋ゆり子さんへ…

(蓮井Micaさん)
「彼女がピアノを弾きながら『もっと届くように歌って』『もっと届くように』って。おそらくずっと彼女の声が、私にはずっと聞こえ続けると思います」