「ここ10年で3番目」道路や橋の被害
また道路や河川・橋などの被害も甚大でした。

熊本県や市町村が管理する公共土木施設の被害額は約204億円。ここ10年では、2020年7月の豪雨、熊本地震に次ぐ3番目の大きさです。
いかに被災した場所が多かったのか、上益城地域振興局を訪ねました。
地図には、被災した場所が赤く示されていました。

上益城地域振興局 土木災害公務課 森本昌樹 課長「(上益城エリア)全体で694か所、約700か所で被災している。この中で一番多かったのが河川の災害で、約8割を占めていた」

山都町の五老ヶ滝川(ごろうがたきがわ)の去年7月の映像を見ると、激しく水しぶきがあがっていました。五老ヶ滝川は94か所で堤防が崩れるなどの被害が出ました。
現在、復旧作業が続けられていますが、なかなか進まない場所もあります。
森本課長「個人が所有するビニールハウスなどの施設がある場合、どうしても 復旧工事をする際には(ハウスを)移動させたり、補償の物件がある時は地権者との話し合いをしたりする必要があります」

復旧工事の過程で民間の用地に対して補償や買収が必要な場所もあり、時間を要しているということです。
一方で県は、被害が出にくい形での復旧を目指しています。
堤防が崩れた五老ヶ滝川の下名連石(しもなれいし)では、護岸を削ることで、急カーブとなっている川の流れを緩やかにしようとしています。

森本課長「護岸を田んぼのほうにひいて、より川幅を広げて、円滑に水が流れて行くように」
他にも堤防のかさ上げなどをし、今後も予想される大雨への備えを進めています。