■「いちご味」がするワケは〇〇〇だった

人の味覚はいったいどうなっているんだろう?味覚のスペシャリストとして、数多くメディアの取材を受けている東北大学名誉教授、医療法人明徳会理事長の笹野高嗣さんに聞いた。

東北大学名誉教授 医療法人明徳会理事長 笹野高嗣さん

笹野さんによると、味覚は気分や感情、記憶、さらに嗅覚や視覚、経験と多くの情報が統合された総合感覚だそう。そのため、嗅覚や視覚など情報の一部が欠けると、“いつもと違った味”として脳が認識するという。例えば、カレーライスの色を青に変えると、違った味に感じたり(視覚の変化)、嫌いな食べ物も鼻をつまめば食べられる(嗅覚の変化)など情報の一部が欠けたことによる味わいの変化なのだという。

​笹野高嗣さん作成の味覚伝導路 確かにいろんな感覚を通っている・・・

しかし、「スイカバー」は視覚的にスイカの形だし、原材料にもスイカが入っている。それなのに「いちご味」に感じる人がいるのはどうしてだろうか?

東北大学名誉教授 医療法人明徳会理事長 笹野高嗣さん
「アイスキャンディーは、主に“におい”で味付けしていると聞いています。すべてのアイスキャンディーは砂糖水に果物の匂いが付与されており、ヒトの脳の中で“におい”が味覚と重なり、果物の種類を認識しているようです」

アイスキャンディーに関しては、特に“におい”が大切ということか。スイカバーは、スイカでなく、“甘く赤いイメージ”をベースに風味を作り出しているとのことだった。多くの人にとって、甘く赤い風味がつながるのがいちごだったということだろうか。

ロッテに、スイカバーの“におい”について改めて聞いた。

ーースイカバーはいちご味でなくても、いちごの香りにしてませんか?

ロッテ広報担当者

「スイカバー独自の香料を作り、配合しています。中身は社外秘ですが、いちごっぽいと感じる方もいるかもしれません」

やはり、そうだったのか・・・。スイカバーをいちご味と感じる人は、スイカバーの香りをいちごの香りだと感じ、そのにおいが味覚と重なり、いちご味だと認識しているようだ。

スイカバーで見えてきた味覚の不思議な世界。さて、あなたの脳はスイカバーをどのような味と感じるだろうか?