1回目のデートは神戸 恋の始まり
部屋の中には他にも写真がたくさん飾られていて、カラフルな雑貨や食器、本などがきちんと整理されて並んでいた。
可愛らしさと清潔感あふれる印象だ。そこで照れくさそうに笑い合う2人。穏やかな日常が伝わってくる。

「地域おこし協力隊」の取材として、2人が大村市に移住するまでの話を聞いた。
2人の出会いは2018年8月。
神奈川県横浜市に住んでいた松浦さんと兵庫県尼崎市に住んでいた藤山さん。2人はSNSを通じて知り合った。
1回目のデートは神戸。すぐに意気投合し、交際がスタート。松浦さんは藤山さんの優しさに、藤山さんは松浦さんの天真爛漫なところに惹かれたという。当時の写真には、仲睦まじい2人の姿があふれていた。アルバムには初めてのデートの後、松浦さんが藤山さんに送ったという手紙もあった。

「初デート大成功!二人の人生のストーリーの最高の始まりになったね」
「1ページ1ページ素敵な思い出でいっぱいにしていこうね!」
ー思わず頬が緩んでしまうラブレター。
藤山さんは手紙に書かれていた松浦さんの希望に応えて、毎年アルバムを作っているという。年数を重ねる程に、アルバムはこだわりも厚みも増していた。
2018年12月、松浦さんは仕事を辞めて藤山さんが住む尼崎市に移り住み同棲を始めた。共に生活をするようになって1年が経とうとしていた2019年秋、2人はある出来事をきっかけに、行政上「家族ではない」ことが大きな壁となる現実に直面することになった。