電動バイクや電動カートに乗って風を感じながらゆっくりと観光地を巡る。そんな「電動モビリティ」を活用した観光が今、注目されています。

新たな乗り物として注目される「電動モビリティ」。このうち「グリーンスローモビリティ」と呼ばれる電動バスは時速20km未満で公道を走ることができる移動サービスで、過疎地域が抱える様々な課題の解決に向けて国が普及を進めています。

大分市では2年前から実証実験が行われ、今年度は3つの地域で活用されています。今年5月には野津原で「ななせダム」周辺を巡る観光コースが新設されました。定員11人で乗車は無料。多くの観光客が利用しています。

利用者:
「景色がとてもきれいで楽しかったです」


時速20キロ未満という低速で景色を楽しめるので観光にも適している「電動モビリティ」。大分県内では、いち早く2015年に導入した姫島村をはじめ、豊後高田市や竹田市などでも観光利用が広がっています。

日本文理大学・吉村充功教授:
「電動ということで環境にやさしいというところが一番大きな背景で流行り始めた。観光の中でも体験型とかゆっくり回るということで、そういう流れと電動モビリティの親和性が非常に大きくて、また今コロナの中でやはり個人で動けるほか、開放的という所も後押しになっているのではないかと思います」


大分県日出町でも8月6日から電動モビリティを観光に利用する実証実験がスタート。使用する電気自動車は江戸時代に日出藩主が参勤交代で利用していた御座船をモチーフとした御座船カー。利用者は無料の陣羽織を羽織って日出町観光に出発します。御座船カーは3人乗りで料金は無料。日出城址周辺を40分から1時間かけてゆっくりと巡ります。

大分県日出町の「御座船カー」

ひじ町ツーリズム協会・相良孝幸さん:
「小さな町なんですけど歴史の詰まった町で、そこをゆっくり見ていただくことで歴史の再発見をし、町の特徴を知っていただければと思います」


利用者:
「昔の建物とか見て楽しかったです」
「コロナの中でやはり外とかで感染とかを比較的気にせずにできる観光巡りかなと思いますので、いい試みではないかなと思います」