マラソン男子は小山に注目
マラソン男子代表は、小山直城(Honda)、赤﨑暁(九電工)、大迫傑(Nike)の3名、女子は鈴木優花(第一生命)、一山麻緒(資生堂)、前田穂南(天満屋)の3名が出走予定だ。男子は東京五輪のマラソンで6位入賞を果たした大迫の2大会連続での入賞、メダルが期待される。
パリ五輪を前に順調に仕上がってきているのが小山だ。昨年のMGCで優勝後、ラスト10キロでスピードロスしないスタミナ強化と省エネのフォーム改造をこなしてきた。「スタミナ強化は、通常より月間で100キロほど走行距離を増やし、フォーム改造は蹴り上げず、真下に接地することを意識して、さらにお尻を使って走るように殿筋の強化などに取り組んできました」と語るように、パリ五輪で勝つことを意識して練習してきた。
その成果が見えたのが2月の大阪マラソンで、2時間06分33秒の自己ベストを出した。菅平などで合宿し、コンディションは上々で、「東京五輪で大迫さんが入賞した時、自分ら日本人もやれると思った。パリでは自分も入賞して、やってきたことが間違いではなかったことを証明したい」と語る。
世界最強のキプチョゲらケニア、さらにエチオピアなどのアフリカ勢が強さを発揮しそうだが、小山は「先頭集団でレースし、ラストの駆け引きに絡みたい」と意気込みを見せる。92年バルセロナ五輪で森下広一が銀メダルを獲得したが、果たして32年ぶりのメダル獲得となるか。
<執筆者略歴>
佐藤 俊(さとう・しゅん)
北海道出身、青山学院大学経営学部を卒業後出版社を経て、93年よりフリーのスポーツライターとして独立。サッカーを中心にW杯は98年フランス大会から22年カタール大会まで7大会連続で取材継続中。他に箱根駅伝、マラソンなどの陸上、卓球等さまざまなスポーツをメインに執筆。現在、Sportiva(集英社)、Numberweb、文春オンライン(ともに文藝春秋)などに寄稿している。
著書に「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など多数。
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版(TBSメディア総研が発行)で、テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。2024年6月、原則土曜日公開・配信のウィークリーマガジンにリニューアル。














