訓練修了生657人 再犯で刑務所に戻ってきた報告なし

3月、北海丸が埠頭に戻って来た。菅野船長が造船所の技術者と一緒に細部を点検している。早くも航海訓練に向けての準備に取りかかっているのだ。

そして春、コロナの制限が解除されて、新しい訓練生9人がやって来た。2023年の4人のうち2人は元の刑務所に戻ったが、2人は希望が認められ、もう1年訓練を受ける事になった。

2024年は11人での新たなスタートだ。

監視担当刑務官
「(Q.受刑者っていう目で見ていますか)やっぱりそれは当然そうですね。突発的に何が起きるか分からない」

訓練生(傷害致死 懲役8年)
「塀の中でやる訓練があるというのは承知していたが、外に出させていただいてやらせていただけるとは思っていなかった。正直、驚いています」

訓練生(詐欺 懲役9年)
「(Q.逃走するとか思わないですか)僕は全然考えていないですし、ほかの人も多分ないとは思います」

訓練生(殺人・死体遺棄 懲役13年)
「海が近いところの出身だったので、こういう風景を見ていると懐かしいなと思います」

彼らは、船舶関係の仕事の経験は全くない。

訓練生(強盗殺人 懲役7年)
「船に乗る仕事は収入が良いと聞いて、出所した際にもこういう仕事だったら、また人生やり直せるかと思って来ました。必ず船乗りにはなりたいなと思っています」

訓練生(大麻・覚せい剤 懲役6年)
「罪名が覚せい剤なので、情けない話なんですが弱い人間なので、陸にいると悪い方向にいっちゃうかなと思ったので、そういうのを断ち切りたいと思って」

訓練生(窃盗 懲役4年)
「希望として、マグロ(船に)行きたいなとは思っています。潮のにおいとか嬉しいですね」

“少年北海丸”の訓練修了生は657人。(令和5年度まで)

法務・検察当局は人権上の配慮から出所後の追跡調査は行っていない。ただ、訓練生が再犯で、塀の中に戻ってきたという報告はこれまではないという。