受刑者の訓練船 その意義とは

YouTubeなどで漁業の魅力をPRするものの、深刻な人出不足が続く遠洋漁業。船員の平均年齢は60歳に達している。

業界が北海丸に注目し、塀の中で出所後の就労セミナーを開いた。

日本かつお・まぐろ漁業協同組合 佐藤康彦 指導部長代理
「(Q.職業訓練をやっていると聞いてどうでしたか)すごい取り組みをやっていただいているなと。こちらも誰でもいいわけではなくて、船内で仲良く仲間と一緒に働ける人。しかも資格を持っている方であれば、非常に私は魅力を感じますね」

刑務所側もポスターを作り、出所後の就労支援に本腰を入れている。

募集担当官
「刑務所から出所して、地元に戻って、また同じ環境になって。でも再犯をしてしまうという者も多いですし、隔絶された船での就職先というのは、次の犯罪には手が付きづらいかなというふうに感じています」

セミナーに参加して遠洋漁業を希望する受刑者もいる。

訓練生
「今回こうやって刑務所に来て訓練を受けさせていただく中で、遠洋マグロの世界を知って、自分は絶対そっちに行きたいなと思ったので、(セミナーに出て)決めました」

訓練生は独房で生活している。自由時間も全て船舶関連の勉強にあてていた。

北海道・函館に冬が近づいていた。寒冷地の舎房は、寒さ対策で特別に2重窓だ。11月から4月までの半年間は暖房が入る。

冬の間、北海丸はドックに入り、年1回の定期検査を受ける。その間、訓練生は海を離れて座学を続けていた。