2007年に変わった「答え」


答えはウ)「夜のはじめ頃」です。



2007年まではイ)「宵のうち」でしたが、「宵のうち」は、受け取る人によって思い浮かべる時間帯に差がありました。そこで「より具体的な表現にしよう」と、2007年の予報用語改正で【夜のはじめごろ】になりました。

ひょっとすると21時頃から24時頃までが【夜遅く】なので、その前の時間帯なので【夜のはじめ頃】に落ち着いたのかもしれません。

ちなみにこの2007年の「予報用語改正」で、
・0時 から3時は「午前3時頃まで」を「未明」に
・6時 から9時は「朝のうち」を「朝」にしています。

ほかによく聞く【日中】は「9時頃から18時頃まで」の幅広い時間を指します。【昼頃】は、「正午の前後1時間を合わせた2時間ぐらい」です。このように時を示すために使われている用語が「3時間ごと」以外も合わせると18種類もあります。これらの言葉は気象庁のHP「一日の時間細分の用語」に記載されていて、「使用を控える」や「単独では使用しない」も含めると33種類にもなります。

そこまで細かく決めているなら「〇時まで雨」じゃダメなんですか?

「午前〇時まで雨」と限定できないのは、予報する範囲が広い場合にずれが生じるからです。例えば、東京地方の場合、23区東部・西部、多摩北部・南部・西部と広い範囲を予報する(直線距離でおよそ80km)ため、雨が降っている時間にばらつきが生じるのです。

九州南部の予報区分に入る鹿児島県も、北から南の与論島まで600キロあります。九州南部の予報区分は、大きく3つに分かれていて
・鹿児島県(奄美地方を除く)
・奄美地方
・宮崎県に分かれています。
この奄美地方だけでも直線距離で南北およそ360キロです。

気象庁HPを一部加工

これだけ広いと、雨雲が北上する途中、「南端の与論島ではすでに雨が降っていても、より北の島はまだ雨が降っていない」ということもあります。そこで、時間にある程度幅を持たせて「昼過ぎ」や「夜のはじめ頃」などと表現しているのです。

黄昏時について

クイズの選択肢に挙げた『黄昏(たそがれ)』とは「日没後の薄暗いとき」や「夕暮れ」のことです。

日が傾いて薄暗くなると人の顔が見分けにくいので、古語で「誰そ彼(たそかれ)」と発したのが由来です。

「誰そ彼」とは、今の言葉では「誰ですかあなたは」という意味合いで、薄暗い道で呼び止められ、「誰でしょう?」と聞き返した感じでしょうか?。

風情のある言葉ですが、「人生の黄昏時」とか、盛りを過ぎた意味もあるため天気予報にはそぐわないかもしれません。

新海誠監督の映画「君の名は。」(2016)では、この薄暗い時間帯を「片割れ時(かたわれどき)」という新しい言い回しで表現していました。