中国と台湾で軍事衝突が起きたら…どうなるの?

 ーーー台湾と中国の間に何かあった際に日本への影響は?
 「実は中国と台湾についてどうするのかという方針を新たにまとめて発表したんですね。台湾と中国は平和的に統一をするということを目指すけど平和的統一ができなかった場合は非平和的な方法を使う、つまり軍事力で台湾を併合するんだという方針を打ち出してるんですよね。だから例えば台湾が独立をする中国と一緒になるのは嫌だと言ったら軍事力を使いますよと中国は言っているんですね。中国や台湾と、沖縄県の与那国島・石垣島・魚釣島、いわゆる尖閣諸島というのが本当に近いわけです。今回、中国が軍事演習をした時に台湾の周りのぐるっと6か所で軍事演習をして、ミサイルを発射し、そのミサイルが日本の排他的経済水域内に落下するという状態になるわけですよね。もしここで本当に軍事衝突が起きると、近くの南西諸島にも影響が出てくるんじゃないかということですよね。実はアメリカは国内に『台湾関係法』という法律があるんですね。これは『もし台湾がどこかから軍事侵攻を受けるようなことがあればアメリカはそれに対して適切な対応をする』という曖昧な法律なんです。適切な対応ってなんだと。だから台湾の中には、いざという時はアメリカは助けてくれないんじゃないかと不安に思っている人もいるんですね。なのでペロシ議長は『いやいや何かあったらアメリカが必ず守りますよ』ということを言いに行ったんだということですよね。ということは、もし中国が台湾を攻撃するとなれば、アメリカは台湾を守ろうということになります。アメリカ本土から軍隊を送るのでは間に合わないですよね。となると、すぐ近くからアメリカ軍が出ていく際には沖縄にアメリカ軍基地がありますから、ここからアメリカ軍が出動するということがあり得るわけです。あるいは台湾の空軍の戦闘機が飛び立ったんだけど、台湾の基地が破壊されてしまい着陸場所がないとなると、沖縄のアメリカ軍基地に着陸したいとなった場合、アメリカ軍はおそらくそれを認めるでしょう。ということは、台湾の空軍機が日本の領空に入ってくるわけです。あるいは沖縄のアメリカ軍基地に着陸するということは日本の領土に入ってくるということになるでしょう。それを認めた場合、中国が『日本は台湾を支援してるんじゃないか』と言って、そこに対して攻撃をする可能性があるわけですね。今回は6か所で軍事演習しました。こういう形でいざという時は中国が台湾を封鎖してしまうんで一切そこに行けない形になります。台湾が本当に封鎖されてしまった時に、いろんな貿易もできなくなります。飛行機や船の行き来もできなくなってしまう可能性があることを私たちに知らしめたということですね」