数時間かかった予測が数分に

AI(人工知能)を活用するこのシステム、災害が起きる前に被害を予測していのちを守ろうと、九州大学の三谷泰浩教授が開発しました。

九州大学 三谷泰浩 教授
「AIで解くと数分で答えが出てくる。どこの場所から洪水が発生しますと入れると、ぱっと一目瞭然で出てくるということ」

5年前に開発されたもので、降水量や洪水、土砂災害の被害などを地図上に色分けして表示します。川が決壊した際の「6時間先までの浸水範囲」の予測について、通常の計算であれば数時間かかるところ、AIを使うことによって数分ではじき出すことができます。

さらに、こうした被害予測と、「どこにどれくらいの年代の人がいるか」の情報を合わせることで、「いつ避難が困難な状況になるのか」を予測することも可能です。

九州大学 三谷泰浩 教授
「住民Aという方は、3時半の時点では『まだ逃げられる』状況。水害が発生すると水に覆われてしまうので、避難所に行くのに逃げる時間がだんだんなくなるんですよね。4時半になると、黒丸の人は『逃げられない人』を指しているんですよ。避難開始をこの時間にしておかないとあなたたちは逃げられませんよ、というのが6時間くらい前からわかる」