移民の強制排除「ルワンダ計画」 経済的援助と引き換えに

そしていま、移民をめぐる計画が議論を巻き起こしています。
5月にイギリス政府が公開した映像には、手錠をかけられ連行される男性の姿が映っていました。入国管理局による不法に入国した移民取り締まり強化をアピールした内容です。強制排除された不法移民が行き着く先は…
イギリス スナク 首相(4日)
「不法入国してきた人々に、“ここにいることは許されない、出ていくのだ”と伝えなくてはいけない。もし私がまた首相に選ばれたら、“ルワンダ計画”を実行します」

不法移民をイギリスから第三国へ強制移送する「ルワンダ計画」。イギリスは、なぜ強制排除に乗り出したのでしょうか。
2022年、ドーバー海峡をボートで入国しようとした人は4万人を超え、2018年の統計開始から最多になりました。

イギリス 有権者
「移民は受け入れるな。私たちが貧しくなるだけだ。住宅も医療もひっ迫している。移民を受け入れれば、受け入れるほどコストがかかる」

来週行われる総選挙で歴史的な大敗を喫するとの見方が強まる与党・保守党は、保守層の支持を取り戻すため、強行的な移民政策を打ち出しました。
こうした“強制排除”の動きに、国連は「難民条約に違反する危険な前例を作りかねない」などと、イギリス政府に慎重な対応を求めています。

ルワンダ政府は、経済的援助と引き換えに移民を受け入れるとしていて、イギリス政府はルワンダ側に、すでに約540億円(2億7000万ポンド)を支払っています。