移民の移送計画 支持・反対ともに41% 国民の間に「犯罪の温床になるのでは」という恐怖も

小川彩佳キャスター:
移民の移送計画について世論調査では、支持・反対ともに41%となっていて、イギリス国民の意見は半々となっています。

小説家 真山仁さん:
「イギリスはひどい国」と思うかもしれませんが、ブレグジットの際も移民はすごく重要な問題でした。
移民に寛大だったイギリスをはじめヨーロッパに余裕がなくなってきているということと、「犯罪の温床になるのではないか」という恐怖が広がっている現実もあるように感じます。
(支持・反対41%)という数字はあり得ないと思います。選挙期間中に、移民を追放するという政策はあり得ませんが、それくらいしないと有権者の不安に対応できないということなのかもしれません。
「イギリスはひどい」と言う人もいるかもしれませんが、日本はよほどのことがない限り移民を受け入れていないということを考えると、どちらがひどいのでしょうか。
こういうニュースを見て、日本では「だから移民はダメ」と言い出す人もいますが、そういう問題じゃないと思います。

トラウデン直美さん:
イギリス国内のことで日本と全く状況が違い、深刻な問題もあるからこそ、こうした動きが出ているのだろうと思います。
イギリス政府がルワンダに経済的援助をして“強制移送”というのは、人権上の大きな問題があると思いますし、他に方法がないのかと考えてしまいます。
難しい問題ですが、難民が出ないように、いかに世界が難民を出す国にサポートの手を差し伸べられるかというのも大きなポイントだと思います。
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<プロフィール>
トラウデン直美さん
慶応大学法学部卒
環境問題やSDGsについて積極的に発信
真山仁さん
小説家 「ハゲタカ」「ロッキード」など 最新著書に「疑う力」