戦後、ソ連によって日本人約60万人が極寒のシベリアなどに連行され、強制的に働かされた「シベリア抑留」。
京都出身のトラウデン直美さんが、抑留者が引き揚げてきた舞鶴市を訪ねるとともに、抑留経験者から当時の壮絶な生活について話を聞きました。取材の中で見えてきたのは「心の自由さえ奪われる現実」。
それは、現在のロシア軍に拘束されたウクライナ人捕虜にも共通していました。

(22年8月14日放送 「NO WAR プロジェクト つなぐ、つながるSP 戦争と嘘=フェイク」より)

■「傷口に指を突っ込まれ…」


ロシアの捕虜となったウクライナ兵、ニカライさん。

ニカライさん
「ただ、殺されるのを待っていました」
「尋問中は暴行され、電気による拷問もありました」

今は、捕虜交換によって解放され故郷に戻っています。


戦闘中、ミサイル攻撃で負傷しロシア軍に捕らえられました。

ニカライさん
「ミサイルの破片で、57か所傷があり、頭や首、左の手足はひどい状態でした」

目隠しをされて場所を転々とし、ウクライナ軍の作戦情報を話すよう、拷問にかけられました。

ニカライさん
「ひざまづかされ殴られ、地下室に入れられました。一人一人尋問に呼び出されました。私の場合は傷口に指を突っ込まれました」

ただ、殺されるのを待っていたというニカライさん。
 
生きる気力さえ奪われる、「捕虜」という存在を生み出す戦争。