2040年度には「約280万人」が必要になるという介護職員。その人手として期待されているのが外国人の存在です。一定の条件を満たせば、資格のない技能実習などの外国人も訪問介護で働けるなど規制緩和の方針が示されましたが、人手不足解消の一歩となるのでしょうか?

人手不足で“存在はかかせない” 外国人の訪問介護“対象拡大”へ

都内の介護付き老人ホーム「ヴィラ ドゥ のぞみ」では、入所するお年寄りが塗り絵を楽しんでいました。

そばに寄り添うのは、ミャンマー出身のスエさん。特定技能という在留資格で来日して約1年。食事や入浴などの世話を中心に仕事をしています。

ミャンマー出身 スエさん
「お年寄りが好きなので、この仕事もできるかなと思って」

この施設で働く外国人の介護職員は9人。仕事内容は日本人の職員と変わりません。

入所者
「車いすで座りっきりなので、すべて皆さんにお世話になっています。何をお願いしても快く引き受けてくださって」

トラウデン直美さん
「これが大変だなというのはありますか?」

ベトナム出身 トゥイさん
「もちろん、どんな仕事も難しいと思いますが、介護の仕事も結構難しいですよ。病気とか人間関係とか色んなことを知ってないと困ります

いま介護の現場で期待されるのが、外国人の活躍です。そのなり手を増やそうと、厚生労働省は19日、介護分野で働く外国人の条件を緩和する案をまとめました。そのひとつが訪問介護です。

日本の文化が大好きなエルマさん。日本での介護の仕事の需要を知り、「介護福祉士」の資格を取得しました。

インドネシア人の介護福祉士 エルマさん
「最初は携帯で辞書を見たり、すぐに覚えられないのでメモしたり」

利用者と1対1で向き合う難しさなどから、外国人の訪問介護は「介護福祉士」の資格を持っている人に限定されています。

厚労省は、資格のない「特定技能」や「技能実習」などの外国人にも一定の条件のもとで訪問介護を解禁する方針を決定。早ければ来年度からの実施を目指すとしています。

人手不足の介護業界において、いまや“外国人の存在は欠かせない”といいます。

ヴィラ ドゥ のぞみ 石田貴世志 施設長
一人一人のマンパワーが1.5倍くらい動かないと厳しくなってきている。日本は他の国よりも高齢化が早く進んでいて技術的なノウハウはあると思う。その部分を勉強するためでもいいので来てほしい思いはある」