職人の“あおり炒め”を再現した3枚の羽根
その革命的なチャーハン製造機を開発したのは、奈良県にある『品川工業所』。創業114年、菓子や惣菜など、食品を素早く大量に作る機械を製造しています。

「約3分で100人前のチャーハンが作れる」という新製品、「BR-1200F」(約900万円)。これまでと大きく違うのが炒め方です。
ひとつ前のチャーハン製造機は、大きなフライパンに入った米や具材を、上からのびたアームで水平に混ぜながら炒めていました。

しかし、「BR-1200F」では…
『品川工業所』社長 小笠原昭典さん:
「町中華で職人さんが中華鍋を振ってあおっている姿から着想した」
チャーハンが美味しい街中華に通いつめ、「お米が高く舞うことで、水分が飛び、パラパラになる!」と着想を得て、料理人の「あおり炒め」を機械で再現したのです。

チャーハンの水分を飛ばすことで、うま味が凝縮される「あおり炒め」。
それを可能にしたのが、アームについた、形も角度も違う3枚の羽根です。ねじれるように取り付けられた3枚の羽根が、回転しながら鍋からチャーハンをすくい上げることで、最大60cmの高さにチャーハンを舞いあげることができるんです。

1枚目の羽根が鍋中心部のチャーハンをすくい、2枚目の羽根がその外側を。3枚目が一番外側をすくい上げることで、全部のお米が舞い上がる仕組み。
「羽根の角度が少し違っても出来上がりが全然違う物になる」とのことで、試行錯誤を重ね2年かけて開発したあおり炒め機。冷凍食品メーカーやコンビニに続々導入されているといいます。