この日、演奏会が行われた高浜地区も2011年3月11日、津波で地区のほとんどが浸水し、6人が犠牲になりました。フルートの野崎さんもあの日、音楽教室を兼ねていた宮古市内の自宅が津波で全壊しました。


震災から13年以上経った今も、泥だらけになったピアノを見たときのことを鮮明に覚えているといいます。


(野崎千賀子さん)
「ぼたっぼたっと涙が流れて、演奏に行くとかいうのはしばらく考えられずに、それで毎日泥と格闘していた」

それでも3人は前を向き、震災発生からわずか3か月後には被災した地域や人たちに音楽で元気を届けようと、ボランティアでの演奏会を始めました。