「宿泊税」は何に使われる? 市のトップを直撃

190年以上の歴史を持つ鳥羽を代表する老舗旅館の「戸田家」。宿泊税の導入について寺田社長は…

(戸田家・寺田順三郎社長)
「一般財源としてではなく『観光に関するもの』に新たに導入する税なので、私どもは協力していきたいと思っています」

「宿泊税」の導入自体には、前向きな姿勢です。

では、税金を集める側の鳥羽市は、この「宿泊税」を何に使うつもりなのか…市のトップを直撃しました。

(鳥羽市・中村欣一郎市長)
「観光地としての価値を上げるための基盤整備やインバウンドの受け入れ体制を整えることに、ぜひ使っていきたい」

鳥羽市では、近鉄やJRが乗り入れる「市の玄関口」、鳥羽駅周辺の整備に。また、外国人観光客に向けた外国語の標識の作製や人材確保のための費用に充てる計画です。

一方、戸田家の寺田社長は、「宿泊税」の導入についてこんな懸念を口にしました。

(戸田家・寺田順三郎社長)
「鳥羽市は『入湯税』も導入しているので、税が2つになってくると大変お客さまにご迷惑と負担になる」

鳥羽市は、「温泉の保護管理などの費用に充てる」ことを目的に温泉の利用者からすでに「入湯税」を徴収していて、戸田家の宿泊客も「入湯税」を支払っています。

さらなる負担となる「宿泊税」の導入について、鳥羽市を訪れた観光客は。

(観光客)
Q 宿泊税って知っている?
「全然知らない。ない方がいいかな」
「維持するためには必要かもしれないが、払う方にとっては少しでも安い方がいい」

Q 一泊いくらなら出せる?
「1000円以下だったら、町のために応援してあげようかなという気持ちにもなる」

そんな中、愛知県の常滑市では14日、東海3県では初となる「宿泊税」の導入が決定し、来年1月6日からホテルなどの宿泊客から1泊あたり一律「200円」を徴収することになりました。

各地で導入が進む「宿泊税」。

(鳥羽市・中村欣一郎市長)
「お支払いいただく観光客にとっても、宿泊税をとられるにふさわしい観光地にしていく必要がある」

鳥羽市は、伊勢市や志摩市なども含めた伊勢志摩地域全体で一体感をもって「宿泊税」の導入に向けて調整を進め、早ければ再来年の4月にも導入したい考えです。