去年の猛暑などの影響を受けて、今、お米の価格が高騰しています。今年も猛暑が予想されるなか、お米の値上がりに、終わりは見えるのでしょうか?
おにぎり店が悲鳴「もうギリギリ」

東京・品川区にある、おにぎり専門店「戸越屋」。
炊き立てのふっくらとしたごはんに、厳選された具材が評判のお店です。
しかし今、頭を悩ませているのが…

おにぎり「戸越屋」木本英二 店長
「お米は業者さんからも『近々値上がりする』と。非常にうちとしても痛手」
米の値上がりです。
こちらでは2023年と比べ、米の仕入れ価格が2割から3割ほど上昇。

おにぎり「戸越屋」木本英二 店長
「3.5升を一日に14回ぐらい炊くときもある。40升(400合)ぐらい一日に使っている。それが2割~3割上がるだけでも相当な金額負担」
値上げを避けるため、新たなメニューの開発などの企業努力を重ねてはいますが…

おにぎり「戸越屋」木本店長
「海苔も(値段が)ほぼ倍近く上がっている。うちの主力商品が全部上がっているので、本当にギリギリの勝負になっている、値上げをしないといけないかな…」
米の高騰の影響は食卓にも。
横浜市のスーパー「セルシオ」では…

セルシオ 和田町店 久保田浩二 商品バイヤー
「こちらの2kgのサイズのお米は元々は税抜きで1000円以下で販売していたが、1000円以上の売価をつけざるを得ない」
こちらでは、仕入れ価格の上昇を受け、米の販売価格を1割ほど値上げしました。

セルシオ 和田町店 久保田浩二 食品バイヤー
「5月~6月の仕入れ値も相当上がってきた。5kgのお米を毎週セールで安くしていたが、そういうアイテム自体も替えざるを得ない」
買い物客からは…
20代
「もうちょっと(価格を)下げて欲しいかな。給料が上がっていないのに、米とか上がるのは困る」
80代
「困るけど仕方がない。食べるものなので減らすわけにはいかない。やっぱり主食ですよね、何にしてもごはんじゃないと」
なぜ今、米の価格が高騰しているのか?
全国の生産者から米の仕入れを行っている精米店「玄米耕房 かめた」で理由を聞いてみると...

玄米耕房・かめた 市野澤利明 代表
「精米した新潟の米、例年に比べると小ぶり、小さい。大体110キロの玄米を精米すると1割減って100キロになるが、今年の米はそれでは済まない。昨年の猛暑によって例年に比べて(米の)品質が低下した」
2023年の猛暑の影響で、一部の産地で収穫量が減少。

さらに“インバウンド需要”などによって、米の消費量が増えているからだといいます。

玄米耕房・かめた 市野澤利明 代表
「コロナ禍から『5類』になって外国の方々も大勢来られるようになった。お米の消費が非常に多くなってきた。今は非常に異常な価格帯。今年は今年なりの(令和)5年産のお米の炊き方で、あまりごしごし研がないでやれば美味しく食べられる」
米の高騰はいつまで続くのか?
精米店の市野澤代表は、今後の見通しについて…

玄米耕房・かめた 市野澤利明 代表
「7月下旬には宮崎・鹿児島の新米も入ってくる。8月、そして9月~10月には東北・北陸のお米が入ってくる。今はちょっと厳しいですけれども(価格が)落ち着いてくるのではないか」