視覚障害者が白杖を使わずに歩く!理学療法士がサポート
ユニバーサルタイムには実技サポーターのほかに、理学療法士も常駐しています。東京都理学療法士協会の西條攻さんはユニバーサルタイムでの主な役割を次のように説明します。

西條攻さん(東京都理学療法士協会)
「参加者の方のウォーミングアップ的な役割を担うことと、ユニバーサルタイムは比較的、視覚障害の方が多いのでそのサポートに回ります。視覚障害の方は白杖を持って歩いたり、足の底で情報を得るので『すり足で歩いている』という方がすごく多いんです。鏡で姿勢を見ることもできないので、我々が正しい姿勢を教えながら、その中で正しい姿勢を保った中で一緒に歩いたり走ったりして参加者のサポートをしています」
具体的な指導として、まずは理学療法士が障害者に足の上げ方や姿勢をレクチャーし、その後、障害者の腕をつかんで声をかけながら歩き始めます。身体が慣れてきた段階で徐々にテンポを上げて、最後はランニングより少し速い速度で走ります。
歩行のサポートを受けた視覚と身体に障害のある石成大育さんは、汗ぐっしょりになりながら取材に応じました。

石成大育さん
「私は病気を持っているんですが、運動が好きなので理学療法士さんにもいろいろアドバイスを受けながらやっていただきました。なかなか走ることがなくて疲れましたけど、あちこちの筋肉を動かせて良かったなと思います」
「ユニバーサルタイム」は現在、杉並区内の2か所で行われていますが、スポーツ振興課の課長・石河内さんは『区内で実施できる会場を増やしていきたい』と話しています。
「ユニバーサルタイム」では、障害者の人が楽しく・自由に・イキイキとスポーツをしている姿が印象に残りました。また、今夏はパリ・パラリンピックの開催もあるので、スポーツに関心を持つ障害者も増えると思われます。
障害のある人が何の障壁もなく気軽にスポーツを楽しめる全国的には珍しい取り組み。障害者の人の身体と心の健康を促進するためにも、こうした取り組みが各地で広がることを願います。
(TBSラジオ「人権TODAY」担当: 宮内悠也)