大幅賃上げが実現した春闘を受けた、注目の初の賃金統計が発表されました。

名目賃金が予想を上回る伸びを示したものの、実質賃金は依然としてマイナスで、実質プラスへの転換は、なお見通せない状況です。

4月の所定内給与(基本給)は29年ぶり大幅増

厚生労働省が発表した4月の毎月勤労統計によれば、4月の現金給与総額、すなわち名目賃金は、前年同月比で2.1%の増加となりました。

春闘の高い賃上げ妥結を受けて、大企業を中心に実際に4月から給与が引き下げられたことを受けたもので、中でも基本給にあたる所定内給与は、前年同月比2.3%増と、29年6か月ぶりの高い伸びとなりました。

しかし、消費者物価(除く帰属家賃)が2.9%上昇したことから、実質賃金は前年同月比で0.7%の減少でした。

減少幅は3月より1.4ポイントも縮小し、明るい兆しも感じられますが、実質賃金マイナスは、これで25か月連続です。