
「俳優は発言しないと、存在する意味がない」
去年10月7日、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃から始まった今回のガザ侵攻。古澤さんは、ひとり自宅で新型コロナウイルスの後遺症のため寝込んでいた。そんなときテレビの画面から流れてくる悲惨な映像を目にして、心が処理しきれなくなったという。「街に出て自分の体をさらしてみよう」と思い、『大量虐殺を止めろ』というメッセージをプラカードに書いて、ひとりで立った。それが始まりだった。

舞台演劇から俳優をスタートした古澤さんは、ドラマ『デスノート』(日本テレビ)や『浅草キッド』(Netflix)、映画『闇金ドッグス』などに出演し、CMにも多く起用されている。ガザ侵攻への抗議活動をする理由には、俳優という要素も大きい。
「俳優という職業をしているため、人前で発言することは恥ずかしくない。自分の特性も生かして、ひとりで活動するというのもあったんです」
発言する義務が俳優にあると考えている。

「俳優のような人前に出る仕事をしてる人こそ、どんどん発信しなきゃ意味がないと思うんですね。文化というのは、政治や人々の暮らしとか、社会とか世界情勢、時代の流れに直結している。それに対して意見もできないのであれば、それは文化と言えるのか。俳優は発言しないと、存在する意味がないと思います」