「Free Free Palestine!(パレスチナを解放せよ)」「Stop Gaza Genocide!(ガザでの大量虐殺を止めよ」)
東京の街角で声を上げ続ける俳優がいる。毎日。しかも、たったひとりで。
俳優・古澤裕介さん(48)
日本のほとんどのメディアは関心を示さないが、海外メディアに多く取り上げられるなど世界的に注目される存在になった。なぜなのか、会いに行った。
(HBC北海道放送:山﨑裕侍)

東京の街角で“ぼっち”単独デモ
古澤さんとの“出会い”はSNSだった。1月6日、ぼくが監督したドキュメンタリー映画『ヤジと民主主義 劇場拡大版』の感想を古澤さんがⅩに投稿してくれたのを発見し、リツイートした。古澤さんは「甲羅干し懸垂」というアカウント名だった。投稿された動画をクリックすると、最初は奇妙な映像だった。地面に置かれた画面には夜の繁華街の一角が映る。人ごみの向こうで何やら黒い服を着た人がメッセージボードを持って立っている。
“イスラエルによるガザ地区侵攻に反対の声を上げるため、たったひとりで東京の街角に立っている”
それが分かり、ぼくたちは互いにフォローしあうようになった。彼が「古澤裕介」という俳優だと知ったのは、しばらく後だった。