■飲食店「孫にお弁当を作る気分」
では、協力している飲食店はどんな気持ちなのか?藤沢市湘南台にある中華料理 三番の牧野ひとみさんに伺いました。
――100円で買える「子ども弁当」どんな仕組みなんでしょう?
中華料理 三番 牧野ひとみさん:
「私、孫もいまして、おばあちゃん感覚で作ってるようなこともありまして、小さいお子様のお弁当でしたら、ちょっとお弁当に顔を作ったり、おにぎりに目を入れたりとか、しています。そんな楽しくなるようなお弁当だと食が進むのかなと思いましてやってます」
――お弁当作りで気を付けていることはありますか?
中華料理 三番 牧野ひとみさん:
「食材なんですけども、なるべく地元で採れた藤沢の野菜を使うようにしています。あとは、もうひと手間かけて、ハンバーグとか焼肉とか、全部、自分たちで作ってお出ししてます」
――子どものご家庭からの100円とNPOからの300円で足りますか?
中華料理 三番 牧野ひとみさん:
「それは、ほとんど原価ですので大変ですが、たまに差し入れしてくださる方もありますね。『子ども弁当に使ってください』『支援したいです』『この取り組みを拡散していきたいと思います』っていう方々が、結構増えてますね」
原価で利益なしの協力は大変ですが、お孫さんにお弁当を作るように「キャラ弁」なども作って楽しんでいるそうです。
こうした気持ちの通ったあたたかいお弁当は、利用者にも好評のようでした。
■利用者「普段食べられないメニューもあって特別感」
「子ども弁当」を利用している親御さんにも伺いました。平井さんのお話です。
――お子さんは何人いらっしゃるのでしょうか?
「子ども弁当」を利用 平井さん:
「現在17歳と、10歳の小学校5年生、それから1歳の子がいます。母子家庭なので大変です。やはり物価の高騰で自宅の出費はすごく大きくなっていたので、とても助かる制度だなって思っています」
――お弁当はお子さんにも好評?
「子ども弁当」を利用 平井さん:
「はい。まずもう栄養のバランスがとれたお弁当がこの価格で本当にありがたくて。店舗さんによって内容は全然違うんですけれど、自分ではもう100円では作れない内容ですし、みんな満足してます。お弁当だと、普段食べられないメニューもあって、特別感があって喜んでいます」
お子さんの喜ぶ顔が浮かんできそうですが、この「子ども弁当」は、取り組みに共感した市内の農家さんから、NPOに食材の寄付や提供も広がっているそう。NPOは、それを飲食店に届けて使ってもらうという事で、藤沢市内全体に支援の輪が広がっているようです。