シリーズ「現場から、」です。EU=ヨーロッパ連合の議会選挙が6日から始まります。近年、ヨーロッパ各国では極右や右派の政党が急激に勢力を増していますが、その背景にはEUの政策に対する不満がありました。
世界的に有名なフランス・ボルドーのワイン。創業およそ200年のこちらのワイナリーでも、近年、ある変化を強く感じているといいます。
ワイナリー経営者 マーク・メドヴィルさん
「暑すぎるし、雨が多い。めちゃくちゃです。収穫の時期は50年前と比べて、約3週間も早くなりました」
今年3月、フランスの研究チームが、“猛暑と干ばつが今よりもひどくなれば、ヨーロッパにあるワイン産地の最大70%が今世紀中に生産に適さなくなる”という研究結果を発表しました。
メドヴィルさんのワイナリーでも、気温が上がっていない夜明け前に収穫するなど工夫をしていて、環境を守るための規制は不可欠だと考えています。
その一方で、今年1月、欧州各地で農家の人々が抗議の声をあげました。
要因の一つは、EUの環境政策「欧州グリーンディール」。気候変動や生物多様性に配慮しながら経済成長を目指す目玉政策ですが、厳しい環境規制があり、農家の人たちは生産コストが上がり、生活が苦しくなっていると訴えたのです。
フランス南西部でトウモロコシなどを栽培するペラさんも、抗議活動に参加しました。
農家 シリル・ペラさん
「(環境のために)やれることはやります。でも、無理なことは言わないでほしいです」
ペラさんが不満を抱いているのは農薬の規制です。抗議デモの結果、一部の規制案は撤廃されましたが、依然としてほかの地域では使える農薬がEUでは使えないといいます。
農家 シリル・ペラさん
「効果的な農薬が使えないので、収穫量は落ち、コストだけが上がっています」
さらに、EUはウクライナ産農産物について支援の一環として関税を免除していて、安い農産物が流入し、追い打ちをかけていると訴えています。
そんな農家たちの支持を集めているのが…
記者
「EUの政策への不満の受け皿になっているのが極右政党です。自国優先を掲げ、支持を伸ばしています」
フランスの極右政党・国民連合。「環境政策反対」や「移民の制限」などを訴え、支持率は33%。マクロン大統領の与党連合に2倍の差をつけています。
国民連合 マリーヌ・ルペン氏
「目指すのはフランスと、フランス人の利益のみです。政策は、それを達成するために作っています」
フランスだけでなく、オランダやポルトガルなどでも極右政党が議席を増やすとみられ、議会全体でEUに懐疑的な右派や極右政党はおよそ2割を占める勢いです。
農家 シリル・ペラさん
「(国民連合に投票して)欧州グリーンディールなど、とにかく環境規制をどうにかしてほしいです」
ヨーロッパの今後の政治や政策の行方を左右する、5年に1度のEU議会選挙。農業政策に対する不満がくすぶる中、極右政党がどこまで議席を伸ばすのか注目されます。
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