三重県桑名市の長島中部保育所。

園児たちは元気に泥遊びです!

そんな保育所の職員室の片隅に6月4日、高さ約2.5メートルの「謎のBOX」が設置されました。

(保育士2年目)
「すごくリラックスして寝られるかな」
(保育士27年目)
「だんだんフワッと上に浮いてくるような。楽ですね」

実はこれ、人が立ったまま仮眠をとれるという触れ込みの商品、その名は「giraffenap(ジラフナップ)」…直訳すると「キリンの昼寝」という意味。

値段は設置料込みで330万円ですが、開発した北海道の合板メーカーが桑名市に対して寄付。

「企業版ふるさと納税」として納付された形で、保育所に設置されました。

(広葉樹合板 山口裕也社長)
「桑名市から保育の現場の忙しさを聞いて、勉強させていただいた」

きっかけは去年、桑名市の認定こども園で虐待を含む52件の不適切保育が確認されたことでした。

桑名市の伊藤德宇市長が現役の保育士たちと話し合いの場を設けた中で、「ホッとする時間が欲しい」という声を多く聞き、この6月から市内2か所の保育所に導入することになったのです。

では、BOXの中でどのように仮眠するのか?

まず、足の裏と膝の場所を決めます。

その後、お尻を支えるパットの高さとアームレストの高さを調整します。

メーカーは頭・お尻・スネ・足裏の4点だけを支え、「立ち寝姿勢をキープしたまま仮眠してもらう」といいますが、このスタイルにどんなメリットが?

(広葉樹合板 山口裕也社長)
「重力に対して垂直方向に寝ることによって、あえて深い眠りに入らない。頭がシャキッとして、すぐ仕事に復帰できる」

また「giraffenap」は、直径1.2メートルほどのスペースがあれば設置できるため、保育所では設置しやすいサイズだということです。

今回の導入に、現役の保育士は…

(保育士8年目)
「休憩時間に仮眠BOXに入って、心と体をリフレッシュできたらいい」

保育士のみなさんのコンディションを整える強い味方になるか?

桑名市は今後、意見を吸い上げ、予算を組んで追加導入をすべきか検討するとしています。