変わる伝統 若者たちの新たな選択

なぜ、世界でも珍しい「女系」の伝統が生まれたのでしょうか。モソ族の研究者は、標高が高く、山に囲まれた閉鎖的な環境だったことや、農地や資源が乏しく交通の不便な場所にあり、ほかの民族が攻めてくることがなかったためではないかと指摘します。

モソ博物館 欧冠葳 副館長 
「モソ族の家族の形は、自由で柔軟性があると思います」

モソ族独特の「通い婚」制度。しかし、若い人たちの考えは変わってきているようです。「通い婚」ではなく、結婚を選んだ夫婦がいます。

「結婚」を選択した夫(27)
「結婚してよかったです。いつも子どものそばにいられますから」

「結婚」を選択した妻(27)
「一緒に暮らせば子どものことで喧嘩もします。でも、私は家族一緒でいま、幸せだと思います」

村の外の生活を知った若者を中心に今ではおよそ3分1のモソ族が「結婚」を選ぶそうです。日本と同じように、家父長制がまだまだ根強い中国。人口の9割を占める漢族の人たちはどう思っているのでしょうか。

漢族の男性
うらやましいですね。1度体験してみたいです」

漢族の女性
男女が平等でとてもいいと思います」

漢族の女性
「彼らのやり方は先進的で、理想的なものだと思います」

ガータさん
「モソの女性は自由だと思います。働きたいなら働くし、休みたければ休めばいい。誰にも生き方を縛られないし、家族みんなが楽しく暮らせばいいのです」

モソ族に見る、自由な家族のカタチ。私たちの生き方にもヒントをあたえてくれそうです。