(黒杉将之さん)「避難当時は電気もこないし水道もなくて不便だった。水道が使えなかったときはトイレに行くのも大変だった」

公民館には正月で帰省中の人など、集落の人口を上回る500人以上が押しかけました。

(避難所の代表 森裕一さん)「津波が来る心配もあり、とるものもとりあえずみんなここに来た。寒さを防ぐ毛布も全然なかったし、食べ物の備蓄もないし、水も多少はあっても焼け石に水。十分な備えはどこもできないと思う」

石川県内では今も250か所の避難所でおよそ3300人が避難生活を続けていて、こちらの公民館でも黒杉さん家族を含む20人が生活しています。

冬場は最低気温が0度を下回る石川県。5月の今の時期もストーブをつけています。水道はまだ復旧しておらず、3月まで風呂は1日おきでした。

(祖母・すみ子さん)「家に帰れれば自由はきくが、思うように(家は)直らない」

食事はボランティアが炊き出しに来る日以外は支援物資のカップラーメンや菓子パンです。

(黒杉将之さん)「食事も最初は偏っていたので、健康管理が難しくてそこが心配」

輪島市門前町は2007年の地震で最大震度6強を観測しました。17年前、当時、中学生だった黒杉さんも被災。自宅が一部壊れました。

(黒杉将之さん)「17年前に大きな地震があって、もう来ないだろうと思っていた。自分の考えは甘かった。1回大きな地震があったらその後はないと考えない方がいい。いつ起きてもおかしくない」

鹿児島県では、鹿児島湾直下などで能登半島地震と同じ最大震度7の地震が想定されています。元日の地震から5か月。被災地では日常が戻らない今と向き合い生活している人たちがいます。

(キャスター)「復旧や生活再建には時間がかかるということを改めて感じました」

(記者)
「黒杉さんをはじめ被災した方たちは『ひとたび地震が起こるとこういった被害が出るということ。避難生活を強いられる可能性があるということをイメージしておいてほしい』と話していました」

「黒杉さんの集落でも仮設住宅が完成し来月から順次移っていく予定ですが『避難所ではみんなで助け合えたが仮設住宅ではそれぞれが自立しなければならず、高齢者の一人暮らしも多いので心配』との声も聞かれました」