同性愛はかつて病気とされました。その時代を生きた男性同性愛者の姿を追ったドキュメンタリー映画「94歳のゲイ」が6月1日から大分市の映画館で公開されます。
映画「94歳のゲイ」は大阪に住む男性同性愛者、長谷忠さんに密着したドキュメンタリーです。
かつて同性愛は「変態性欲」だと公然と語られ、治療が可能な精神疾患とされてきました。1929年生まれの長谷さんは、結婚したことも誰かと交際した経験もありません。ゲイであることを誰にも打ち明けることなく、好きな男性ができても告白することもできない時を過ごしました。
(長谷忠さん)「ものすごく生きづらかったよ。人と話をすることもできないもん」
時代の流れを変えたのは日本初のゲイの商業雑誌「薔薇族」です。
(「薔薇族」元編集長・伊藤文学さん)「弱いものに目をむけるという気持ちが、僕の中にあったんじゃないかなと思う」
同性愛者を取り巻く環境は大きく変化。孤独の中で生きてきた長谷さんにも新たな出会いや別れが訪れます。人の繋がりが生む希望と優しさを描いた作品です。
映画「94歳のゲイ」は大分市の映画館「シネマ5」で6月1日から公開されます。