それでも…ブラック企業に入ってしまったら?
──もしブラック企業に入ってしまったら、どうすればいいと思いますか?
「僕も相談を受けるんですけど、一番多いのは、『会社が変わってくれる』という期待を8・9割の人が持っていて、下りのエスカレーターに乗ってることに気づいてない。

僕がおすすめするのは、外に通報するかやめるかだけですね。ただ、やめるという前提でどこまで爪痕を残すのかが僕は重要だと思っていて。そんな会社においてでも、腐らずに結果を残して、キャリアアップした方がいいし、逆にそういうストーリーは僕ら経営者からすると、『骨のあるやつじゃねーか』と感じる。『僕はこの1年で結果を出して、御社に入るつもりで頑張ってきました』って言う方が、やるやんけ!とはなりますよね」
中野さんはこれまで、土木作業員、ビッグモーター社員、中古車販売会社の社長…とさまざまな挑戦を重ねてきた。どんな環境においても、重要なのは「出口を決める」ことだと指摘する。
「今置かれた環境をどうするのって、自分でやるしかない。環境に頼らず、置かれた中でがむしゃらにやって、出口を探す。そこに向けて頑張るんです」
中野さんは今、テレビ電話とチャットを使った「クルマの通販」に挑戦している。腹の探り合いや、値引き交渉もなく、オプションも強要されない。ユーザーが安心して車選びができ、真っ当に車を売っている人が報われる業界にしようともがいている。
「お客様のために現場があって、現場のために管理職がいて、管理職のために取締役や社長がいるわけなので、全部お客さんのため。消費者にとっても社員にとっても、透明性こそが全ての時代になるんじゃないかなと思います」
聞き手:TBSアナウンサー篠原梨菜 構成:古瀬真理奈
(TBS NEWS DIGオリジナルコンテンツ「シノキャリ」より)