亡くなる直前に「すまなかった」 妻との最後の会話

北さんには40年以上連れ添った妻がいましたが、約10年前、重い病気で入院しました。
それまでは、不妊手術のことを打ち明けていませんでした。

北三郎さん
「(不妊手術を受けたと)言ったら離婚じゃないかと思っていた。去られるのがやっぱり怖かった」
知人の子どもをよくかわいがっていた妻。
亡くなる直前、病室で北さんは自分が強いられた不妊手術を告白しました。

北三郎さん
「すまなかったということで、手をついて謝りました」
しかし妻は、北さんを責めることはありませんでした。

北三郎さん
「『しっかりと食事だけはとってくださいね』と言われて、その食事(習慣など)を今、守っている」
北さんの体だけを心配した妻。夫婦の最後の会話でした。
長年、妻にも打ち明けられなかった強制不妊手術の被害。
北さんは「二度と過ちを起こさせない」という思いで、裁判では包み隠さず話すことを決めました。

北三郎さん(妻の納骨堂前)
「『今度来た時には良い報告もってくるからね』と女房との約束」
“亡き妻のためにも”と、北さんは5月29日、最高裁の大法廷に立ちます。














