共鳴したら一緒に50メートル歩いてみよう

「福岡でやるな、地元でやれ」「関係ない、僕らには」という言い方をする人もいますよね。でも「何とか止めたい」「止めるには何かするしかない」と考える人たちが、目の前で動き始めることを止める資格は誰にもないと思うんですね。自分の家族が殺害されようとしている時に、何かしたいと思うのは当然のことですし。
「殺されようが自分には関係ない人たちのことだから」とSNSで言ってしまう人は、ぜひその話を自分の子供にしてください。子供からおそらく、軽蔑されるでしょうね。そういう言葉をSNSで吐くこと自体が非常にまずいと思うのです。自分の子供に聞かせられないようなことは書かない方がいいんじゃないでしょうか。
みんながみんな、デモに参加することはできません。時間もないし、仕事もあるし。でも今回、飛び入りで参加した人がけっこう多い印象がありました。デモを見かけたのでここで入っておこう、と。主張を聞いて「なるほど」と思って、「では、自分にできることとして、今ここで50メートルを一緒に歩こう」。そうすることも大事なことなのではないか、と私はすごく思います。
自分で声を上げるのはなかなか難しいという方は、「自分の代わりに声を上げてくれているんだ」と思って見守ったらいいんじゃないかと思うんです。なかなか言い切れない。歩けない。であれば、沿道から手を挙げるでもいい。拍手するでもいい。見つめるだけでもいい。妨害をしないでいただけたら、と思うんです。
イスラエル「ボイコット運動」も
市民運動が歴史上、いろいろな効果をもたらしてきています。すぐに戦争を止めさせることはできなくても、非常に大事なことです。会場でチラシをもらいました。
「STOP!ラファ攻撃始めよう、イスラエルボイコット運動」
主催:福岡パレスチナの会
連絡先:070-8795-6648(沖園リエ)
6月8日お昼12時に天神パルコ前に集合して、その後分散してイスラエルに関係しているとみられる企業に対する抗議行動を行うそうです。一緒に参加しなくても、話を聞いてSNSで拡散するだけでもいい。こういったことが、遠くで殺されている人たちがいることに対して、目の前で何かできることなんじゃないかな、と思います。
◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)
1967年生まれ。毎日新聞に入社直後、雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。ニュースやドキュメンタリーの制作にあたってきた。報道部長、テレビ制作部長、ドキュメンタリーエグゼクティブプロデューサーなどを経て2023年から報道局解説委員長。最新ドキュメンタリーは映画『リリアンの揺りかご』(U-NEXTで6月18日まで有料配信中)。