【だんドーン作者・泰三子先生から見た川路とは…書面インタビュー】

泰三子さん自画像

Q.鹿児島でお気に入りの土地や場所があれば教えてください。

(泰先生)作品内でも描かせていただいている仙厳園さんや皆与志町の『川路利良生誕地』は、何度行っても元気をもらえます。あと、南洲墓地にお参りに行くと、『ここにこの方もあの方も眠っているんだ・・』とドキドキします。

Q.今作で、数多くいる偉人の中から川路利良を主人公に決めた経緯を教えてください。

(泰先生)前作で『ハコヅメ』という作品を描いていたのですが、その時から現代の警察官たちが職務倫理のお手本としている川路大警視の人生が常に頭にありました。

詳しく調べると、少年時代から島津斉彬に仕えて、幕末から西南戦争までの主な事件にほとんど皆勤賞で関わっているので、漫画家としても絶対描いてみたいと思いました。

Q.泰先生から見た「川路利良」はどんな人物だと思いますか?また作品ではそのイメージをどのようにして取り入れていますか?

(泰先生)複雑な人だと思います。繊細なのに言動は大胆で、情に厚いのに決断は冷徹です。作品では幕末の事件が次々と起こるので、その一つひとつに傷つきながらも最善最速で対応していこうとする、等身大の仕事人として描けるよう心がけています。

Q.鹿児島市・仙巌園での「警察と漫画」展。開催にあたって、先生がご覧になっての感想を教えてください。

(泰先生)一生懸命描いた原稿をとても素敵に展示してくださっていて、とても感動しました。警察についてのパネル展示では、まだ作品には出していないけれど後々重要人物として出そうと密かに思っていた薩摩出身の警察官が紹介されていて、『仙厳園さんに先の展開を読まれている!』と興奮しました!

Q.番組「てゲてゲ」の視聴者・ファンの皆さんへ向けてメッセージをお願いします

(泰先生)川路利良については鹿児島では『裏切者』としてあまり人気がないと聞いていましたし、そこまで知名度も高くないらしいので、連載前は編集部の中でも不安の声がありました。

しかし連載が始まると、鹿児島からたくさんの嬉しい感想や激励の声が届いたり、こうして番組に作品を取り上げていただいたりと、力強い応援をいただき感謝しかありません。

新しい時代を切り開いていった鹿児島で、これからも読み続けていただけるよう、新しい視点で幕末から西南戦争までを描ききりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。てゲてゲ~!


(本記事は2024年5月22日にMBCテレビ「てゲてゲ」で放送した特集を再構成したものです)