《服役中から訴え、再審で無罪が確定》

 そして大津地裁は、「被告の自白には、極めて高い自発性が認められる」などとして、懲役12年の実刑判決を言い渡した。控訴、そして上告も棄却され、2007年5月、刑が確定した。

 その後、西山さんは服役中からえん罪を訴え、再審開始が決定。そして2020年3月、大津地裁で無罪が言い渡された。判決は、有罪の決め手となった自白についても「重要な点で大幅な変遷があり信用性がない」とした。

 さらに「取り調べの警察官が、自分への恋愛感情などを利用して供述をコントロールしようという意図のもと捜査情報を提供して整合性がとれる自白へ誘導した」と、任意性にも疑いがあると判断した。