滋賀県・湖東記念病院の元看護助手、西山美香さん。患者の人工呼吸器を外して殺害したとして有罪判決を受け、12年服役したのち再審=やり直しの裁判で無罪が確定した。いま西山さんは、違法な捜査で長期間拘束されたなどとして、国と滋賀県に損害賠償を求め、裁判で争っている。

 23日は『自白』をめぐって因縁浅からぬ、当時の取り調べ官の証人尋問が行われた。西山さんは警察官に何を聞いたのか…。まずは事件を振り返る。

《西山さんはなぜ、自白していたのか》

    

 そもそも、やってもいない罪を西山美香さんが自白していたのは、なぜだったのか。当時の取材に対し西山さんは、事件の取り調べにあたった警察官に、『ある思いを抱いたから』と話していた。

好意を持ってしまったんですよ。(それはどうして?)優しかったんですよ」

「小さいときからコンプレックスがあって、兄2人が賢く、私は勉強ができなかった。取り調べの刑事が『あなたも賢いところある』と、すごく理解してくれた」

「そこでコロッともう、好意を持つようになって、気に入ってもらおうと思って、どんどんウソをついていったんです」(西山美香さん 当時の取材)