《恋愛感情の利用について否定》

 これまでの無罪判決では、取り調べを担当した警察官が西山さんの恋愛感情を利用して自白を誘導したと認定したが、この日の尋問ではまず、警察官と県側の弁護士が、そうしたことへの否定ともとれるやり取りを展開させた。

(県側の弁護士)「あなたから原告に対して接触したことはありますか?」
(警察官)「ありません」
(県側の弁護士)「原告からあなたに対しての接触はありましたか?」
(警察官)「ありました。7月24日ごろ、起訴前かと思います」
(県側の弁護士)「どういった状況であったのですか?」
(警察官)「当時、私は(取り調べ中で)供述調書を作成していました。右手にボールペンを持ち、左手は机の上に置いていました。すると、原告が私の左手の甲をさするような感じで接触がありました」
(県側の弁護士)「その時あなたはどうしましたか?」
(警察官)「注意して払いのけました」

 警察官は「西山さんからの身体的接触はこの日以外もあった」などと言及。しかし、そうした接触をどう受け止めていたか尋ねられると…

(県側の弁護士)「接触があった時、原告が自分に好意を寄せているという認識はありましたか?」
(警察官)「ないです」
(県側の弁護士)「その理由はなんですか?」
(警察官)「原告からそんなことを(好意について)言われたことはないからです。原告は自分に対して白目を向けたり鼻水をたらしたりすることもあった。本当に恋愛感情のある相手に、そんなことをするとは思いません」

 恋愛感情の利用について、真っ向から否定。これに対し、西山さん側の弁護士からも質問が投げかけられた。