受賞の背景には“ある農家の情熱”が
【住】雲仙市が特に評価されたポイントは何なのでしょうか?
【平】事務局によると、雲仙市について特に評価されたのは「良い野菜」を生産する土壌があって「良い料理」を提供する飲食店があるという点です。

「良い野菜」というフレーズがありましたが、今回の受賞への流れは《あるひとりの農家》の存在が全ての起点となっています。

一般に売られている野菜のほとんどは、改良された種を毎年、種苗会社から買って栽培されています。

しかし長崎県雲仙市の農家、岩崎政利さんはこれらの種を使わず、有機栽培した作物から種を採り、その種をまた畑に植えて育てるという手法を取っています。こうして作られる野菜は”在来種”と呼ばれます。

農家 岩崎政利さん:
「(在来種の栽培は)個性を知る上ではいいですね。その作物の性格を知っていくっていうか」
※岩崎さんの崎の正しい漢字は“﨑(たつさき)”
全国的に“大量生産に向いた品種”が多く作られ、各地の《在来種》は途絶える寸前のところまで来ていました。