「本屋さんがなくなっていくのは寂しい」けど…

小川キャスター:
実際、「本屋さんがなくなっていくのは寂しい」という街の声もありますが、実際に書店に足を運ぶかというと、かなり頻度は低くなっている。こうした現実というのは、書店を経営されている身としてどう感じますか。

今村翔吾さん:
本当に出版の問題は、かなりいろんなことに根深い問題があります。よく「万引きが」という話もありますよね。本の利益というのは大体22〜23%。1冊万引きされると、5冊売らないと駄目とか。

特殊な業界なので、やはり「再販制度」という問題を是非はともかく、ここから根本的に改善していくことも必要な時代に来ているのかもしれません。

(株)日本総研主席研究員 藻谷浩介さん:
私は6月に還暦を迎えますが、子どもの頃はテレビがすごく流行りだした時で、「映画いらないね」「ラジオいらないね」とみんなが言っていたのをデジャビュのように思い出します。

同じく「舞台芸術なんかいらないよ」と言っていました。しかし、実際40年、50年経っても全然無くなっていない。むしろ舞台やライブハウスは、大事になってるよな、と。

「電子書籍と図書館だけでいいんだ」という議論は、「食べ物は食べなくていい、栄養さえ摂れていれば良い」みたいな議論。「本屋みたいなものは無くならないのではないか」と直感的に思います。

小川キャスター:
「本との出会い」という意味で、図書館では駄目ですか。

今村翔吾さん:
図書館でもいいのですが、「図書館法」というのがあります。例えば、車を無料で貸してくれる行政サービスがあれば、車業界から反発がきませんか。僕たちの業界だけが税金で無料サービスがある。これに対しても、非常に日本ならではの問題、日本の出版業界が今まで積み重ねてきた問題がいろいろあり、地元の書店から買えない状況が出てきています。

藤森キャスター:
街の本屋さんを守っていくべきかどうか、街の声を聞いてきました。