利用者が増加に転じた「再開発」の波
一方、貝塚線の沿線では1990年代初頭から都市開発計画が進み、人口が増えている。香椎地区を副都心に、という福岡市の計画の一環で、東区の千早から西鉄香椎駅前までの約1.3キロが高架化された。住環境が向上したことで、周辺には多くのマンションが建設され、特に千早駅周辺はファミリー層を中心に人口が増加し、西鉄千早駅の乗降者数は1日平均6055人と、高架化された2006年から倍増している。

千早駅周辺の住民「住みやすいです。西鉄もJRもあるから便利です。すぐ天神にも博多にも行けるから。」

千早駅周辺の住民「子供がいてもすごしやすいですね。西鉄貝塚線は乗りやすくて、よく使ってます。」
千早駅前の「スポーツガーデン香椎」跡地には、民間が運営する公園を併設した複合商業施設「ガーデンズ千早」もオープンし、多くの人で賑わっている。
「まちづくりの中心になる鉄道に」

ガーデンズ千早 中村和央副館長「元々、ここではボウリング場、ゴルフの練習場、スポーツクラブをやっていましたが、施設の老朽化で建て替えが必要になりました。立地としては駅から近いこともありますし、東区は非常に人口が増えている地域で、地域のみなさまに憩える場を提供するとかちょっとした充実感を味わえるような場所を提供したかった」
2006年4月に約27万4600人だった福岡市東区の人口は、2023年12月には約33万2800人まで増加。貝塚線の利用者は確実に増えている。福岡鉄道史料保存会の吉富実さんは期待を込めてこう話す。

福岡鉄道史料保存会 吉富実理事長「九大跡地の再開発がほとんど見えてきましたし、遊園地の「かしいかえん」跡地も広大な敷地がありますから。貝塚線には新たな福岡の東のまちづくりの中心になる鉄道になって欲しいと思います。」