遅れる復旧、険しい道のり。そんな中で自分ができることは、歌うこと。

そして…震災以降、多くの人たちが改めて強く感じたのが「家族の絆」です。

前川さんもその思いは同じです。金沢でのライブの前のリハーサル、前川さんの一人息子・幸之真(ゆきのしん)さんも来ていました。

かりゆし58・前川真悟さん「(息子は)一番自分を押し上げてくれる存在だけど、一番そことの時間を犠牲にするなりわいをしているので。支えてもらっているのに返せていない。もどかしくもいとおしい存在かな」

幸之真(さんは、小学校ではブラスバンド部に所属しています。夢は「お父さんといっしょにかりゆし58をやること」

息子の夢を金沢で。ライブ本番、ドラムの幸之真(ゆきのしん)さんをボーカルの父が紹介します。

そして、前川さんの母・正枝(まさえ)さんへの思いを歌にした名曲「アンマー」を愛する息子と一緒に披露します。

かりゆし58・前川真悟さん「(金沢は)息子にとって初ライブの町だし、うちの家族にとっても、被災者ではなく石川の友達がいるまち。友達に会いに行くっていう1本目の架け橋ができたので、それが僕にとっては最高にうれしいお土産です」

アンマーよ アナタは私の
全てを許し 全てを信じ全てを包み込んで
惜しみもせずに何もかもを
私の上に注ぎ続けてきたのに
アンマーよ 私はそれでも
気付かずに 思いのまま過ごしてきたのでした
(「アンマー」歌詞の一部)

かりゆし58・前川真悟さん(ライブでのトーク)「おかげさまで初めて息子とセッションしています。シンプルな話、自分の横で好きな人、恋人、奥さんが笑っていたらたいていの男は幸せです。自分の隣で母ちゃんが笑っていたらだいたいの子どもは幸せです。女の人が笑っていたら世界は良くなります。きょうも女の人が笑っていられるひと時でありますように」

金沢市から訪れた人「お母さんの家が能登で家も全壊に近くなって。1分1秒わからないじゃないですか。だから本当にきょううれしかったです。久々に笑いました」
珠洲市から訪れた人「子どもたちの楽しんでいる顔が一番の楽しみでした。今から珠洲に帰ります。地震も忘れるくらいのいい日になりました」