葛飾区の商店会の春祭りに出店。地元住民の反応は

4月21日(日)は、石丸さんが勤務する薬局がある、葛飾区の「青戸サンロード」商店会の春祭り。歩行者天国の中、クレープや居酒屋の屋台と並んだ「調剤喫茶」には、地元の様々な人が立ち寄ってゆきました。一人の男性は「引っ越しをして、1月から青砥に来たんです。ちょっと気分の切り替えに、勧められたので、飲んでみようと思いました」と話し、一人の女性は「普段薬局のそばは通るだけですが、いまの時代に必要なことをやってらっしゃるんだということがわかってとてもうれしかったです」と話し、ルイボスティーとしそを合わせたお茶を飲んでいました。家族連れ4人は、ひとり一人違ったお茶を飲み、父親は「ミントのお茶が、さわやかな感じで、飲みやすかったです。普段、中で仕事をされていることが多いと思うので、逆に、新鮮です」と話していました。

相談に乗ると、「何かお返しをしたい」という人もいるので、最近は、パックに詰めたお茶を販売しています。屋台だけでなく、練馬区のバー「Neriba」の一日店長も。屋台や薬局では接点があまりない、働き盛りの世代や学生さんとお酒を飲みながら話し、相談があれば、受けています。
将来は、気軽に薬や医療、健康について話せる喫茶店を開くのが目標という石丸さんは「薬局にカフェを併設するんでしょって言われることがかなりあるんですけども、喫茶店に頼れるおやじがいた方がいいよね、という考えです。薬局の人が誰かの役に立てるのはある意味当たり前だと思っていて、ただそこをうまく活用できない今の仕組みとか、世間のイメージを払拭したいところから考えると、あくまで喫茶店で、中に頼れる人がいるんだよ、というイメージが僕のイメージにすごい近いです」と説明します。石丸さんが子供の頃からなりたかった「頼れる人」は薬剤師、と喫茶店のマスターでした。
喫茶店の目標に向け、共感した多くの人が応援したり、仲間になっています。屋台を購入した時のクラウドファンディングの参加者や、同じ薬剤師で、色々なつながりを持つ福井彩香さんをプロデューサーにして、出店場所を提案してもらったり、兵庫県豊岡市でも同じような試みがあることを教わりました。青戸の商店街では、薬局の同僚が、お茶のパック詰めの準備を手伝い、屋台の店番もしていました。
石丸さんの「調剤喫茶」のような「悩みを自然と話せたり、相談したい時、頼れる人がいる日常の場」は、街づくりに欠かせない試みだと感じています。
(担当:TBSラジオ「人権TODAY」崎山敏也 (TBSラジオ記者))