逆転の発想で人気!「ゆっくりレジ」

福井市にあるスーパー「ハーツ志比口店」には、複数あるレジの中で唯一行列ができるレジがあります。そこに書かれていたのは、「ゆっくりレジ」の文字。

どういうものなのか、店長に聞いてみました。

ハーツ志比口店 加藤聖大 店長
「会話をしながらゆっくり自分のペースでお会計ができる場となっております」

この日、「ゆっくりレジ」を利用していたのは、小さな子どもとお母さん。
子どもが商品を渡すと店員さんは…
「ありがとう」と受け取りお会計。
会計が終わった商品を再び子どもに「これどうぞ」と言ってゆっくり手渡しました。

別のお客さんの会計時には…
お客さん:「2割引きの券もらえる?」
店員さん:「2割引きの券 私取りに行ってまいります。大丈夫ですよ」

「ゆっくりレジ」では、お客さんとコミュニケーションをとりながら丁寧にきめ細やかなサービスで対応していることがわかります。

ベビーカーを押しているお客さんには…
店員さん:「(カゴは)向こうまでお運びしますね」

お財布から小銭を出そうとしているお客さんには…
店員さん:「ゆっくりで大丈夫ですよ」

釣銭が重くなってしまいそうなお客さんには…
店員さん:「あと1円玉は2枚ございますか。3000と100と51円だとお釣りがきれいに出るので」

このレジでは、ゆっくり、ハッキリ、急かさない。
小銭なども一緒に確認してあげることで、お客さんも落ち着いて会計ができるといいます。

利用者からは、「子どもを連れているなら、ゆっくりレジを選びますね。店員さんともお話ができるので楽しいなと思って利用しています」との声が聞かれました。

この「ゆっくりレジ」には、お店にとってもメリットがあります。
一つ目は、自分のペースで会計したいひとは「ゆっくりレジ」に並び、急ぐ人は別のレジに並ぶため、お客さんの回転率がアップすること。
二つ目は、新人店員の研修も、ゆっくり、しっかりできること。
お客さんお店、両方にうれしいシステムとして、いま広がりを見せています。

ホームセンターのカインズでは、セルフレジ版の「ゆっくりレジ」を導入しています。
子どもに使い方を学ばせたいファミリー層から好評で、パーティションに囲われているので人目を気にせず自分のペースで会計することができます。