ユリウス・キルマイアさん:
「疲れるね」
家具工房春夏秋冬 藤原哲二さん:
「ユリウスらしいパワーに任せて削りまくる。おれはあんなに体力ないから、もうちょっと繊細に」
ユリウス・キルマイアさん:
「藤原さんはテクニックがあるからね(笑)」

毎日使う道具の手入れも欠かしません。


ユリウス・キルマイアさん:
「(研ぎ具合は)普段ここでテストしています。腕の毛が剃れないから鋭くないね」

家具職人としての心意気も身につけ、作業着姿も様になってきたユリウスさん。

5月6日には、弟子入り当初から作ってきたカツラとマツの木を使った棚を完成させました。


ユリウス・キルマイアさん:
「あした(この棚を)お客さんにあげますね。藤原さんはこの木目や節穴は好きじゃないけど私はとても大好き。面白い個性だと思います。完璧じゃない部分もとても大事です。だからこの棚板の節穴もとても好きだよ」

板の切り出しからすべて手作業で作った棚。

ユリウスさんのセンスも光ります。

家具工房春夏秋冬 藤原哲二さん:
「その穴は埋める計画だったんだけど、ユリウスが埋めない方がいいってアドバイス言ってくれて、これを見に来てくれたお客さんも『素晴らしい』『良い』って言ってくれるんですよ。それは本当によかったなと思う」

藤原さんはユリウスさんの仕事ぶりを認める一方で、さらに高みを目指してほしいという思いもぶつけます。

家具工房春夏秋冬 藤原哲二さん:
「ユリウスも気を遣ってやっているのはわかるんだけど、もっと神経使えればもっと良い仕上がりになると思いますよ」

ユリウスさんの初仕事を見届け、藤原さんにはある思いが湧きあがりました。


家具工房春夏秋冬 藤原哲二さん:
「できたらもう半年、1年ここに…。もっと道具に親しんで慣れていってもらいたい気持ちはありますね」
「誰かがこの道具を使い続けてもらいたい、誰でも職人はそうだと思いますよ。おれもこれを誰かに使ってもらいたい。できたらユリウスとも縁があったので、ドイツでまたこの道具が活躍してくれたら、国を越えて素晴らしいモノづくりの交流ができるというのを期待しているんですね」

ユリウス・キルマイアさん:
「弱ったなぁ」
「ありがとうございます!」

ビザがあと1か月半で切れるため、ユリウスさんはいったんドイツに帰りますが、再び藤原さんのもとにで学びたいという気持ちが芽生えているようです。