地域のつながりが強い能登では、「待ってでも、地元の業者に工事を頼みたい」という家庭も多くあります。
「多少時間がかかってもお願いねって言ったらわかったよって」
川辺さん夫婦「お風呂も穴水へ入浴支援に行ってます。3月までは自衛隊、4月からは穴水のふれあい文化センターで…それも5月までと言われてるのでなんとか5月中に直したいなと思ったらちょうどタイミングよく来てくださって」

穴水町の川辺さん夫婦の家では、元日の地震で地盤が隆起、浄化槽が破損し排水ができない状態が続いていました。
川辺さん夫婦「ここが穴開いとる」「穴開いとったんやね」「いま開いたんけ?これ、地震で開いたんやろうけど」「本当や、ひどいのになっとるな~。これじゃもたんわね」

工事を依頼してから3か月、ようやく8日に浄化槽の交換工事が行われました。
浜出産業・宮下政司さん「お客さんによく神様来た!って言われますけど、みんなに待たせているのに神様じゃないんだけどなと思いながら…」
能登ではそもそも工事にあたる地元業者の数が少ないことに加え、スタッフの多くが被災しているため作業がなかなか進んでいません。
浜出産業・宮下政司さん「地震の前から契約した現場もあってそれを仕上げないとダメ。それにまわらないといけないので、なかなかこういうところにも手つかずの所がたくさんある。1月の地震からの請求書をまだ出していない」「Q.どれくらいたまってる?200~300。結局イスに座ってられない、常に現場に出ていかなならん」
待ってでも、信頼できる地元業者にお願いしたいと考える住民は多いです。不当な高額請求など詐欺被害のリスクを避けたいという思いもあるようです。
川辺さん夫婦「だまされないようにということでしょうね。高額な請求があとできたりとかいろいろなことがある。上水道のときも漏れていたので、それも直してもらった。役場の方からはたくさん県内の業者さんの名前がありましたけど、私はこの方に多少時間がかかってもお願いねって言ったらわかったよって」
浜出産業・宮下政司さん「待っててくれるだけでもありがたいんですけど、こちらとすれば申し訳ないなと常に思いながら…でも実際直す業者が少ないし、都会から来る人もあんまりおらんし、何とかしてあげようと思うけどなかなか…」
被災地住民の一刻も早い生活再建へ、行政にはさらなる支援拡充が求められています。