『パワー勝負』で完封勝利の才木投手 中学生時代に能見氏は会っていた!?

―――5月10日(金)~12日(日)の阪神は、横浜DeNAベイスターズとの3連戦で、2勝1敗でした。12日は先発の才木投手が完封。1対0で勝利しました。才木投手は素晴らしいピッチングでしたね?

 「はい、もちろん、言うまでもなく。前日(11日)は乱打戦で、才木投手は見てるはずなんですけど、そんな中で自分のピッチングというか、コースを狙うのではなくて力で。自分の持ってるもので勝負していく、そういう姿勢がしっかり出ていましたので、まあ見事ですよね」

―――才木投手は4勝目。ヒーローインタビューでは『もうちょっと点がほしかったですね』と冗談まじりに話していました。能見さんもご経験があると思いますが、1対0でなかなか点が入らないというのは、ピッチャーとしてはどんな心境ですか?

 「1人ランナーが出ると雰囲気がガラッと変わるというか、2アウトから1人ランナーを出すだけでも、すごくプレッシャーがかかりますね。気を張ってないと無理ですね」

―――「早く点を取ってくれ!」と思うものですか?

 「それはもう、毎試合思っています」

―――能見さんは12日の才木投手について、「最大の持ち味である『パワー勝負』でバッターをねじ伏せていた」という見解だと。トミー・ジョン手術を乗り越えての活躍ですが、いかがですか?

 「才木投手は進化の途中で、まだまだ伸びる要素があります。『真っ直ぐで押していける』というのが彼のスタイルで、12日は状態もそれなりに良かったと思いますし、DeNA打線に対してしっかりと勝負できたところが大きいですね」

―――才木投手の活躍は、実は“能見さんのおかげ”でもあるんですよね?能見さんの現役時代、2013年オフに行われた野球教室で、当時中学3年生の才木投手を能見さんが“指導”していたと。そういったご縁があったんですね?

 「指導というか、たまたま野球教室に来ていて、ちょっと話をしたぐらいなんですけど、キャッチボールをしてる姿を見たときに、『こんないいピッチャーがいるんだ』というのは思いました。どこかの高校から話が来ているだろうなと思って話しかけたら、『いや、どこも来ていません。須磨翔風高校に行きます』と言っていました。その場には僕以外にも阪神関係者の方もいたので、すぐスカウトの方に『ちょっと須磨翔風におもしろいピッチャーが入るので見ておいてください』と言いました」

―――才木投手は当時から背が高くてフォームがきれいだったと。将来活躍できそうな片鱗はありましたか?

 「中学3年生のときに身長が180cmあったので、まだ背は伸びるじゃないですか」

―――高校時代は全国大会に出られませんでしたが、プロでこの活躍ですからね。才木投手の力投もあって阪神は再び首位に。いかがでしょうか?

 「なかなかね、やっぱり得点っていうところが、どうしてもまだ(打線が)湿りがちなので、本当に投手陣がしっかり頑張っている。2安打で勝つこともあれば、頑張ってピッチャーが抑えていても負けることはあるので、これはもう、しばらく続くのかなと思います」